藤波芳夫さんの事件資料


藤波さんの再審請求について
2001年12月15日 藤波再審問題研究会  
 藤波さんは今年の春、弁護人のつかないまま自力で再審の裁判を求める請求書を、宇都宮地方裁判所に提出しました。しかし、独力での再審請求には多くの困難が存在するため、その後、関係者が「再審問題研究会」を作り、その支援を受けて七月には、再審請求補充書(1)を同地裁に提出しています。
 それに対して、検察側から6月上旬に「再審請求は棄却さるべき」との意見書が地裁に出され、地裁はその意見書に対する意見を藤波さんに求めてきています。
 これを受けて藤波さんは次のような内容の意見書と上申書を提出し、今に至っています。12月中旬現在では、その後新しい動きはありません。
 1、 検察側の意見書は、初めに提出した簡潔な再審請求書に対するものであり、その後の詳細な補充書に対するものではない。
 2、 補充書(1)に対する、検察意見書の補充を求める。
 3、 現在、こちらは再審請求補充書(2)をまとめているところであるが、持病を抱えていることなどで、作成に困難な事情があることは理解していただきたい。
 4、 補充書(2)は二審判決に対するもので、二審が一審以上に覚醒剤問題に踏み込んで、積極的に死刑判決を維持している以上、見過ごしにすることはできない。
  そもそも藤波さんの裁判は、「結果の重大性は明らか」と判断されたためなのか、原判決(一審、死刑)において十分な審理がなされているとは言えないものでした。藤波さん自身も捜査段階では覚醒剤のことをなかなか言いだせず、公判廷に至ってなんとかそのことを語り出すことができました。
 また、二審では裁判所は覚醒剤のことを調べたのですが、その視点は遺憾なことに「覚醒剤の影響は殆どなかった」というところに立脚していると言わざるをえず、その結果二審でも積極的に死刑判決が維持されたわけです。いずれの判決でも、
 「事件は怨恨によるものであり、覚醒剤は関係がなく、心身衰弱・心神喪失はなかった」
としていますが、そのような表面的な理解は到底認められないものです。それでは覚醒剤の想像を越えた恐ろしさ、やめた後でもフラッシュバックにより人格が破壊されかねない恐ろしさは、全く世の人々には伝わりません。その点を藤波さんは再審請求で強調しています。
 どのような再審請求も日本では困難なものですが、藤波さんは独力での請求であり、より一層の困難も予想されます。どうか、皆さんの暖かい御支援をお願いいたしたいと思います。

(2003 12/5)
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